中小企業の転職・採用・面接で1番大切なこと


資格も学歴もない、不安だけど…大丈夫?
転職や就職の面接で一般的に重視する項目の1つに、「学歴や職歴・特別な資格」があります。
でも経営者がほんとうに見ているのは多くの場合、別の部分です。
「面接で大事だと思うこと」のズレは、採用の成功と失敗を左右する要因になることも…。
今回の記事では、中小企業の社長が、面接・採用でもっとも重視していることを紹介します。

社長が見てるポイントが分かれば、面接が有利になります!
□ 現役の中小企業社長
□ 面接・採用は毎年自分で直接行う
□ これまで100名以上の面接・採用経験あり
1. 中小企業で最も大切なことは、価値観が合うこと

中小企業での採用においてもっとも大事なことは、”価値観が合うかどうか”
大企業でも”価値観の一致”は大事ですが、中小企業ではより重要になります。
たとえば中小企業では…
- 経営者の影響が大きい: 社長の考えやビジョンが企業文化や方針に直結する
- チームワークの重要性: 少人数で運営されることが多く、チーム内の協力やコミュニケーションが必須
- モチベーションの向上: 社員一人ひとりのモチベーションが、成果に直結する
- 離職率の低下: 価値観が合わないと、社員が長く定着しない
- 互いのしあわせ: 企業のビジョンにできないと、良い結果につながらない

中小企業では、”価値観の一致”が生命線になってきます!
特別な資格やスキルはあるに越したことはないですが、多くの場合1番重要なことではありません。
2. 面接で価値観の合致を確かめる
「面接者は、なるべく自分を良く見せたい」
一方で面接官は、「なるべく素の部分の考えや価値観を見たい」
そのギャップを埋めるために、様々な質問をします。
- 「自社を希望した理由は何ですか?」
- 「あなたが最も大切にしている仕事の価値観は何ですか?」
- 「あなたの成功体験を教えてください。それを通じて得た教訓は何ですか?」
- 「ほかにどんな企業の面接をしていますか?」
これらは定番の質問ですが、面接官は質問をしながら企業と面接者のフィット感を探っています。

表面的な受け答えだけされても、あまり印象に残りません。
3. 緊張は問題ないが、隠し事に注意

面接の場で緊張するのは当たり前、大きな問題ではありません。
面接官が注目するのは、緊張の中で隠していることや、素の自分が出てくること。
実際に自分が経験したことや考えていること、自分の言葉でないと、違和感を感じます。
隠している事やウソをついている場合、その不安は態度に表れることが多いです。
ガチガチで会話にならなければ問題ですが、多少の緊張は全く気にしません。
むしろ…
□ 変に場慣れしすぎている方が警戒する
□ なにか違和感があるな、用意した答えかなと感じる
上手でなくても、自分の言葉で一生懸命伝えようとする人の方が、好感を持ちます。
4. 事前準備の重要性

もしもその会社で本当に働きたいなら…
面接者がまずやるべきことは、面接を受ける会社をしっかり調べることです。
たとえば…
- ホームページで社風や社長の考え(SNSなど)を確認する
- 実店舗があるなら、実際に店頭へ行って買い物をする
- サービズがあるなら、実際に使用してみる
事前に調べることで、企業の文化や理念が理解しやすくなります。
店舗やサービスを利用すれば、良し悪しや雰囲気がわかります。
これは本人にとっても、非常に大切なことだと思います。

「当たり前のこと」のようですが、できてない人は多いです。
6. 面接前の調査を怠る応募者
□ もう何10社も落ちてる…
□ 教科書どおり、しっかり質問に答えてられたのになんで?
…意外にも、しっかりと事前調査をしない応募者は多いです。
応募者が無関心であると感じると、企業側は不合格にする理由が増えてしまいます。
逆に面接者がしっかり会社について理解していると、好感度を高めることができます。
あせる気持ちは分かります。
でも会社をよく知らずに面接しても、採用にはつながりにくいです。
あせっている気持ちや本命でないことは、伝わってしまいます。

何1000人もエントリーがある大手インターネット会社の採用責任者はこんなことを言っていました。
「面接に来てるのに自分たちのサービス利用してないなんて、ほんとうはうちで働きたくないのと一緒。その時点で容赦なく落とすよ」
7. 中小企業の採用に関する課題

…なぜ、そこまで”価値観の合致”を重視するのでしょうか?
社員を1名採用するには、莫大な費用がかかります。
とくに中小企業の採用は人数が限られているため、採用にかかるコストは相対的に高くなってしまいます。
面接者には関係ないことですが、企業としては死活問題。
新たに採用をしなければ、今いる人の給与をもっと上げることもできます。
企業としても「定着しやすい環境づくりや努力」をするのは大前提ですが、採用についてもどうしても慎重に選ぶ必要があるのです。

転職が当たり前の時代ですが、「1人の採用」を決める時は「その人」の一生まで考えて採用を検討しています。
8. 価値観を事前に確かめる手段

とりあえず内定欲しいから、受けておこう…
…そういう人は、なんとなくわかります。
第一希望を他社に考えてる人は、「価値観の一致の重要性」をくりかえし伝えると、たとえ内定を出しても自ら辞退していきます。
価値観が合う会社で勤務することは、本人の働きがいや満足度向上につながります。
互いの価値観を確かめるために…
- インターシップや事前の社内見学があれば利用する
- 面接中に質問する
とくに最終面接などで、社長と話す時は貴重な機会。
「…最後になにか質問はありますか?」という質問にも理由があります。
インターンは実施していませんが、面接者に迷いを感じた場合は社内見学を促しています。
面接では、とら社の風土や考えなどをくりかえし伝えます。
面接者からも「御社で大切にしていることは何ですか?」など質問があると、「おっ!」と思います。
9. 価値観が合う職場のメリット
価値観が合う会社で働くことは、長期的な雇用や働きがい向上につながります。
結果的に、従業員の定着率にもつながります。
やりがいを持って今の仕事に集中できれば、企業も成長し、従業員全員がハッピーに!
企業にとっても本人にとっても、非常に大切なことの1つです。

中小企業では、結果として「似た雰囲気の人」が集まります。そこに強みがあります。
10. まとめ 価値観の一致が、採用と定着のポイント

中小企業における転職・採用・面接でもっとも大切なのは、「価値観の合致」
結局それが社内でのコミュニケーション、本人のモチベーションや定着につながります。
「100人社長がいれば、100とおりの考えがある」
社長によって考えはちがうものの、価値観の合致を重視しない経営者はほとんどいないと思います。

…社長はさびしがり屋。価値観の合う仲間が欲しいのです。
自分にぴったりの中小企業を見つけ、充実したキャリアを築いていきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。